こんにちは!白岩です。
昨日は火曜日でしたね。今話題の「逃げ恥」に私もハマってます。
時代の価値観をすごく的確に捉えていてこの脚本の人は天才だなーっなんてブツブツ分析してます。カミさんにこざかしいって言われそう。笑
さて、今日のテーマは「価値観」です。
よく、家の「資産価値」とか転売の際の「性能評価」なんて言葉が出て来ます。
私も自邸を設計するとしたら、将来的に転売したりAirBnBや賃貸で人に貸し出せる「価値のある家」にしようと思っています。
世界を旅しながら建築のデザインや空間のプロデュースをしたいと考えているし、老後はオーストラリアに移住しようかなんてカミさんと本気で話しています。
子供に託すにせよ、誰かに売るにせよ、貸し出すにせよ、資産価値があるに越した事はないし、客観的評価が高い家という事は、品質の高い家という事になると思います。
先日、ある建築家の先生による設計の住宅が売りに出されました。
私も学生の頃から尊敬する、素晴らしい間取りとデザインをする方です。
インターネットで告知した所、あっと言う間に売れたそうです。しかも新築時を上回る価格で。
もう30年以上も前の家です。
当然、耐震性や断熱性といった性能も、キッチンなどの設備機器も30年前の物です。
それがあっという間に、しかも満額以上で売れた。
某大手不動産会社の友人は目が点になっていました。
毎年何百棟もの建売り住宅や大手ハウスメーカーの家をやり取りしている彼ですが、資産価値が30年後も変わらない、ましてや新築時よりも上がるなど業界の常識外だと言っていました。
違う業界の話だと割り切らなければ、今自分がやっている事が詐欺に思えてくると。苦笑
それもそのはず。現在の日本の家の大半は、新築時がMAXであとは価値が下がっていくのみです。
私も某大手ハウスメーカーで商品開発のお手伝いをしていた時、「今売れるデザイン、流行るデザインを考えて欲しい」とよく言われていました。
5年後の事はその時にまたリモデルすれば良いからと。
まさに「物販」の考え方ですね。
売り捨て、売りっ放し、売り手優先、利己主義の典型です。
当然考え方が合わなくてすぐに辞めましたけど。笑
どんな物でもそうですが、今この時最新の技術や設備で建てても、10年20年経てば必ず「古い物」になります。
このロジック、分かりますか?
最新の「物」は年月が経って価値が上がる事はありません。だって、もっと最新の物が半年後には出るんですもん。
今現在、最新最高の性能でも、2~3年も経てばBランクになってしまうほど「物」の進化は日進月歩です。
「最新という価値観」で建てた時点ですでに、その先には下り坂しかないコースのスタートラインに立ってしまっているんです。
では、30年経っても満額以上で売れた家の「価値」とは何だったのでしょう?
それは3つ。
「住み心地(間取り)」「デザイン」「素材」です。
「住み心地(間取り)」
価値UP ・・ 造りやすさではなく使いやすさを重視された、可変性のある(変化する)間取り
価値DOWN ・・ 廊下が多くあったり、とりあえず部屋を多くして〇LDK!と言っとけば良いやという何も考えてない、何軒も使いまわされている建売り的な間取り
「デザイン」
価値UP ・・ 歴史的建物やアートのように、今も昔も変わらない、人間の共通美意識からのデザイン
価値DOWN ・・ 力のあるハウスメーカーなど一部の人たちが儲けるための仕組まれた流行りのデザイン
「素材」
価値UP ・・ 経年美化していく自然素材(無垢の床、しっくいなど)
価値DOWN ・・ 経年劣化していく化学建材(合板フローリング、ビニールクロスなど)
つまり、根本的な価値と言いますか、比べる事のできない価値です。
なので、たとえ間取りやデザインに重きをおいていても「流行りの間取り」や「流行りのデザイン」ではダメです。
その流行り自体、大手メーカーや広告代理店の販売戦略によるものですから。「物」的考え方。つまり「商品」としての家です。
いつの世も変わらない原理原則、人間としての根源的な快適性や美意識に響くものでなければ。
「人にとっての住み心地」や「感性で心から良いと思われるデザイン」でなければ価値は持続しません。
確かに、「流行りの家」や「よく売れている家」は、多数派です。テレビや雑誌でたくさん宣伝されているほうがたくさんの人の目に留まり、「よく知られる家」「よく見る家」になります。
多数決で色んな事を決める教育を受けてきた私たち日本人は、なんとなくみんなが良いという物に安心感を覚えるし、価値があるような気がしてしまいます。
でも、、、
その家500万円なら買いますっていう人が100人居ても、家は1つしかありません。結果、その家の資産価値は500万円です。
でも、3000万円で売って欲しいっていう人が1人でも居れば、その家の資産価値は3000万円です。
昔は「大手企業」の看板がなければそもそも人に知られる事がない時代でしたが、今は個人でもテレビCMと同等、いやそれをはるかに上回る発信が出来る時代です。それもタダで。
インターネット、SNSで一瞬で日本中どころか世界中に知ってもらえる時代です。
「誰かのために丁寧に考えられ、誠実につくられた家」であれば、その価値をまっすぐ発信する事ができれば、それに価値を感じてくれる「一人」に辿りつける可能性を自ら高められる時代です。
そしてその一人は値切ったり「価格比較」で家を探している人ではなく、「価値」で家を探している人です。
転売する時に私たちが出逢うべき人は後者の人です。
〇〇ハウスの看板でたとえ1000人にPRできても価値は無い、むしろ価格比較のステージに最初からのる事になってしまいマイナス効果になる時代です。
せっかく建てるなら。どうせ建てるなら。資産価値が高まる家を一緒に目指しましょう(^▽^)/