出張版☆家づくり図書館 ~家って~
こんにちは、設計士の白岩です。
今年も残すところあと3日ですね。
今年最後の家づくり図書館になると思うので、今回は上っ面ではなく家の存在そのものについて少しお話したいと思います。
家とは何か。
私たち設計者にとって、家づくりに携わる全ての人にとって永遠のテーマです。
良い家って何だろう。どうすれば良い家が出来るのだろう。家ってそもそも何だろう。。
家とは物ではなく環境です。
同じ物はありません。
まずは、頭で数社に絞って下さい。金額も含めて。
それができれば、その数社は「物としての家」ではどこも一緒です。
色んな数字や性能をそれ以上比べても時間の無駄です。
なぜなら、性能を表す数値とはある一定レベル以上の仕様と施工能力があれば誰が造っても、どんな材料でも、
同じような高い数値が出せるからです。
所詮は計算で導く数字です。それは、自分の夢の空間を実現する手段の一つであって目的ではないはずです。
なので最後は「心」で決めて下さい。
単純に、好きかどうか。
単純に、気分が良いかどうか。
それだけです。しかし、それが唯一絶対的な判断の尺度だと思うのです。
何かの項目で比べはじめると、全ての物事はある一方の視点ではメリット、しかし違うもう一方の視点ではデメリットと二面性が必ずあります。必ずです。
黒くて白い家や、丸くて四角い家とか、そんなトンチみたいな家はないからです。
家づくりに正解はありません。しかし、正義はあります。
皆さんの正義は皆さんの心の中にしかありません。
多くの人にとって人生で1度の家づくり。
これから死ぬまで暮らす環境づくり。
たくさん悩んで、たくさん比較して、
ただ、最後は頭ではなく心で決めて判断してみて下さい。
ただ真っ直ぐに。ただ真っ直ぐに。
きっと「ただ、好き」な家が出来上がります☆
きっとその家があなたを「ただ、幸せ」にしてくれる家です。
幸せは数字では決まらないから。
私はそう信じ、今でも建築設計を続けています。
私にとっての初心の言葉。
住宅の神様とまで呼ばれた、尊敬する方の言葉です。
「建築家として、もっともうれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感じられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか」故・吉村順三
どうか、来年も皆さんの元へ幸せな家が届きますように。