パート1前編はこちら↓
家づくりの答えは十人十色
重清:
「奥さんとのすり合わせって、どうだった?」
森田:
「うちの妻は用語からわからなくて、手書きのスケッチを描いても
イメージが伝わりにくくて。本当にそこは難しかったですね。」
重清:
「図面って平面だから、それが立体になってどういう生活が送れるか、
まで想像するのは簡単じゃないよね。お客様によって考え始めるスタートが全然違うし、
条件を入れたら答えが出てくるものでもない。そこが難しさでもあり、面白さでもあるかな。」
「こんな生活がしたい」という気持ちから入る人もいれば、「この間取りで何帖くらい」から入る人もいる。
どちらの側から考えていくかは、人それぞれ。
重清:
「その人の考え方とか生活の仕方とか、もちろん自分とも全然違う生活様式だったりとかがあって。
最近だと『長いトイレが欲しい』っていう要望があって。
聞いてみたら『座ってからドアまでの距離があると落ち着く』っていうことで。
その人がこれまで過ごしてきた環境の中で育まれた感覚なんだよね。そういうことをちゃんと聞き取らないと、
注文住宅なのに取りこぼしが出てしまう。だから、できるだけそういうことが無いように話は聞くようにしてるかな。」
夫婦間でも、興味を持つポイントの温度差はある。奥様は「こうしたい」というイメージ、
ご主人は予算や性能の数値が気になる——そんなケースも多い。
重清:
「でもその役割分担があるからこそ、ちゃんとすり合わせが済めば、
お互いの意見がうまく混ざり合った理想のおうちになっていくのかな。
やっぱりマイホームは夢だから、楽しく打ち合わせできるのが理想だよね。」
施主だから共感できる不安
森田:
「接客する立場でありながらお客さんの立場でもある今は、
もどかしさが身に染みてわかります。『これで良かったんだっけ?』という不安とか。」
重清:
「設計だからって悩まないわけじゃないよ(笑)。
自分の家を設計していても、不安は確認を重ねても完全には消えない。お客様も同じだと思う。」
重清の妻は「プロなんでしょ、任せるよ」とどんと構えている。それがプレッシャーでもあるが。
重清:
「打ち合わせで『任せてもらえてるな』という感覚があると、
不安がすっと和らぐんだよね。そういう信頼関係を築ける設計士でありたいというか、
そういうところはあるかな。」
こだわりポイントは?
森田:
「重清さんがこだわったところは? 自分は勾配天井とか、
モデルハウスで気に入ったものを試験的に取り入れたりして。」
重清:
「まず大屋根。昔からずっとかっこいいなと思っていて、
もう大屋根を作りたかった。本当にシンプルなんだけど。」
それと、動線。重清は今のアパートでの朝の動きや帰宅後の動きを思い返し、ストレスが生まれないように設計した。
重清:
「妻と起きる時間が違うから、ウォークインクローゼットは寝室からちょっと離したところに置いたり。
あと子どもは絶対汚れた状態で帰ってくると思うから、リビング入れたくないじゃない。
だから玄関→ホール→洗面スペースみたいな流れにしたかな。」
森田:
「うちも同じで、リビングに入る前に手を洗える動線にしました。」
重清:
「人気の動線だよね。」
親として思いを込めたプラン
重清:
「うちは子どもにそれぞれ個室を作ってあげたかった。
自分が育ってきた環境がそうだったから。上が女の子で下が男の子だから、
あんまり共用っていうことも考えずに、ある程度独立して作ってあげたいなと。」
森田:
「お子さんが小学生になると意見も出てくるんじゃないですか?
うちは5歳の娘が『ピンクの壁紙!』と言い張って(笑)。
一面だけという条件でOKしたんですが、保育園でも『ピンクの部屋できるんだよ』って
言い続けているみたいで。楽しみにしてるんだなと思うと、こっちも嬉しくなります。」
重清:
「うちも全く同じ(笑)。クロスのサンプル持ち帰って選ばせたら、
やっぱり好きな色をちゃんと選んで『これ!』って。
あと家具屋さんに行ったら今度はロフトベッドと勉強机が一緒になったやつが欲しいって言い出して(笑)。
子供ながらに憧れがあるよね。だからそういうスペースが確保できるように間取りでも考えたかな。子どものために。」
森田:
「それが飽きなきゃいいな、と思いますけど(笑)。」
重清:
「飽きたとて、可変できるようにしとけばそんな深い後悔にはならないだろうし。
子どものそういうのを大事にしたいから入れたっていうのもあるし。
こだわりをどこまでこだわるか、『温度感』って大事かなっていうのはあるかな。」
今は無理でも「いつか」の準備
森田:
「後からできるものは後回しにして、今は優先度を下げるという判断もしましたね。
屋根の構造だけ対応しておいて太陽光パネルは後付けにしようと思っていたんですが、
予算を絞る中で削ってしまって。今でも入れておけばよかったかなと思うこともあります。」
そんな森田に、実家の母からひとこと。
森田:
「実家の隣に建てているんですが、冬になって『最近洗濯物が乾かない』と言われて。
建物の影になっていることに気づいて……やべっ、ってなりました(笑)。
自分たちの家に集中しすぎていたのかもしれないですね。」
重清:
「それは『乾太くん』プレゼントしてあげないと(笑)」
森田:
「考えておきます(笑)」
パート2へ続く!近日公開予定です!

今回の対談の様子はYOU TUBEでも配信中!
※文章だけでは伝わらない
ふたりの空気感や表情は、ぜひ動画で。
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