土に還る家
シムラのオーガニックハウスの基本になる“耐震性”、“耐久性”、“健康”にプラス現場から100キロ圏内の土に還る材料にこだわって建てました。不純物を一切使用せず発酵させた土を使った土壁や土間をぜひご覧下さい。
外壁には火山灰(シラス壁)、シンプルな外観に軒をなるべく出して、自然の斜光を取り入れるように設計しました。
奥様の知人に書いてもらったという名前が彫り込まれるだけで無機物だったRCの擁壁に命が吹き込まれた思いがしました。
既存のRCの駐車場を残し、その上に土を敷き、花壇と庭を造りました。
大開放の吹き抜けも常に空気を循環させている“地熱の家”にとってはとても効率的。
今は子供が小さいのであえて間仕切らずにファミリースペース(ちょっと前までは近所の子供達のベイブレード会場、現在は格闘広場・・・)必要に応じて6帖が2部屋と通路がとれるように設計されております。
寝室の壁は竹小舞に土を塗った本物の土壁。洞窟の中にいるような感覚で深い眠りに落ちます。畳に段差をつけたので腰掛けるにも良いし、引き出しをつけて散らかしがちの布団周りも収納できてとても重宝。
キッチンはリビングより1段下がっているので、カウンターに座ると丁度奥様の目線に合います。なんだか料亭のカウンターに座っているようです。タモで造ったキッチンは鍋やパンを出し入れしやすいオープンキッチン。
=階段の手摺りを滑り降りる兄弟=子供達はこちらのほうが楽しいね。
1台で100坪を暖めることが出来る薪ストーブ。大きな薪も入るので寝る前に薪をくべれば朝までぽかぽか。
小屋裏は約12帖のスペース。手前がご主人の書斎で、奥が子供の秘密基地。多少ちらかっていても小屋裏ならまあ良いか・・・
「さわらか(爽やかですっきりしている)」な木ということで“さわら”と名がついた木を使用した浴槽。夏はすっきり、冬は暖かく感じられます。
リビングからは内土間を経て四季折々の顔を見せる庭が時間を忘れさせてくれます。
内土間は荒木田土に骨材、苦汁、水を混ぜた土を寝かしただけの昔ながらの三和土(タタキ)。ペタン、ペタン、リズム良く打っている職人さんは大変・・・
寝室の壁は竹小舞を組んで土壁にしてみました。竹小舞だけでもインテリア壁として使えます。作業場のライトの明かりが木舞の影を映し出してとても綺麗だったので上部だけは木舞のまま残しました。
お兄ちゃんも土壁塗りに挑戦です。お父さんより上手?
発酵させた土を使うので、塗った後もしばらくは何とも香ばしい(笑)臭いがします。
「地熱の家」とは地下5mのところまでパイプを埋め込み、2重になっているパイプの外側を室内外の空気が通りパイプの底に貯めている水により地熱を媒介するシステムです。
基礎内にげんこつサイズのグリ石を敷き、蓄熱層を造ります。綺麗に土を落とした石を一個一個手作業で敷き詰めます。これがしんどい・・・2~3人で2~3日かかります。
トイレの壁は掃除が楽なように漆喰を磨き上げました。裸電球がよく合います。
玄関扉にはご主人が捜してこられた本物の蔵戸をいくらか詰めて使用しました。
母屋梁がとても美しくバランスの良い切り妻になりました。