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設計者のつぶやき | 健幸工房シムラ|自然素材で建てる自由設計の家。青梅市、あきる野市、八王子市、立川市の周辺エリア対応 注文住宅・リノベーション - Part 7

出張版☆家づくり図書館27 家づくりのポイント②~素材~

 

こんにちは!空間クリエイターの白岩です。

 

家づくりのポイントシリーズ、第二回目は「素材」についてです。

 

家の素材を選択する時のポイントは2つ。

 

「適材適所」「人間の体に与える影響」 です。

 

 

【適材適所】

 

以前、地方の工務店の商品開発アドバイザーとしてあちこち回っていた時に特に印象に残っていた事があります。
地方の昔ながらの工務店のほとんどに共通していた4大課題というのがあって、それは

 

「広報(集客)」

 

「デザイン(単に建物のデザインだけでなく、ビジネスの仕組みとかのデザインも含めて」

 

「スピード(工期と人件費)」

 

「コスト(費用対効果)」

 

でした。

 

地方の工務店の社長は元・大工の方がすごく多くて、昔ながらの大工さんなので”木を見れる”し、材料1本1本の曲がり具合や繊維の目なんかを吟味して使う方向や加工の仕方を変えたりと、現代の木造建築が失いかけている素晴らしい技術を持ってらっしゃるのですが、例えば壁の中に隠れてしまう柱なんかにも「美しさ」を求めたりしている事に私は疑問を持っていました。

 

壁の中に隠れる柱にとって1番大切な事は何か。

 

それは美しさとかうんぬんではなくて「強度」です。

 

それが見える柱であれば「強度+美しさ」

 

茶室などの飾り柱であれば「美しさ」

 

という事になります。

 

「適材適所」という事ですね。

 

その他にも、鉛直荷重に強い=柱に向いている材料 や たわみやせん断に強い=梁に向いている材料 、堅く加工には向かない材料 、 柔らかく加工に向いている材料 、木材以外にも、湿気に強い、火に強い、揺れに強い、風に強い、軽い、重い、、、など家一軒を構成する材料は多岐に渡ります。

 

できる限り一つ一つ丁寧に「適材」と「適所」を考えてあげれば、「無駄」がなくなり、結果「コスト」や「建物の強度」「建物の寿命」という皆さんの暮らしの安心や安全、試算、財産として跳ね返ってきます。

 

 

【人間の体に与える影響】

 

上記はどちらかというと家を造る上での素材の使い方、造り手である私たちが気を付けるべき内容でした。

 

それに対し、こちらは家の「仕上げ」の話。皆さんが気にしなければならない内容です。

 

スーパーなどに並んでいる食品に生産地や生産者などが表示され、成分やその作物の造り方に気を配る世の中になって久しいですが、食べ物以上に皆さんが毎日体の中に取り込んでいるものがあります。

 

それは何か知っていますか?

 

空気です。

 

体重50kgの人が一日に吸う空気の量って、ご飯100杯分にもなるってご存知ですか?

 

空気は呼吸とともに体の中に取り込まれ、肺から血液内に入り全身をこの瞬間も巡っています。

 

例えば、食べ物の食あたりのようにダイレクトに影響が表れるわけではありませんが、常に体内に取り込んでいる空気が、私たちの身体に影響を与えないはずがないですよね。

 

365日24時間。毎日毎日、少しづつ体内に蓄積していき、ついにそれが「被害」「病気」として目に見える形で表れてしまったのが、「シックハウス」と総称される、一連の住宅内での健康被害です。

 

アスベスト問題もそうですね。

 

今は使用禁止になったアスベストも、シックハウスを引き起こした様々な「新建材」と呼ばれる人工素材も、発見され、開発された当初は素晴らしい素材だとして称賛されました。

 

今では「時限爆弾」なんて呼ばれてしまっているアスベストが最初は何て呼ばれていたか知っていますか?

 

「奇跡の鉱物」です。

 

なんて身勝手な話しなんだろうと思いますよね。。

 

でも、これは起こるべくして起こったと私は思っています。

 

アスベストは、耐熱性、絶縁性、保温性に優れた奇跡の鉱物。

 

シックハウスの原因となった新建材たちは、大量生産性、低コスト、品質が一律で扱いやすい、加工が容易、腐らない、クレームが起こり辛い、、といった特徴がもてはやされました。

 

どちらも素晴らしい長所を持っています。

 

でも、、、

 

一つとして「住む人のため」の長所では無いんです。

 

何もかも全部、売り手、作り手にとっての長所です。

 

これはほんの一例で、氷山の一角にすぎません。。

 

今でも不動産業界、建築業界、住宅業界には、そんな身勝手な素材が、それらを「自分たちの都合で勝手に前向きに捉える」考え方が、蔓延しているのが現実です。

 

ほんと、嫌気がさすほどに。。

 

私はそれがどうしても許せないです。

 

少し感情的になってしまいましたが、毎日暮らしていく「家」を構成する「素材」と、その素材が造り出す「空気環境」が、私たちの身体にとってどれほど大事か。

 

それをお伝えしたかったのです。

 

また別の回で触れますが、素材の「素材感」は私たちの精神面へも影響を与えます。

 

素材は、人間の心身両方にとって大切なんです。

 

そしてその心身にとって「良い影響」を与えてくれる素材が「適合素材」です。

 

ぜひ、「適合素材」という言葉を覚えておいて頂けたらと思います。

 

何かで見た情報、誰かから聞いた情報、当たり前だと思っている情報、だけに捉われず、家づくりをお考えの際は、私たち専門家にざっくばらんに相談して下さい。

 

検討されているその素材のメリットデメリットを、正しく公平な立場でお伝えします。

 

最後に、私たち人間にとって適合する素材は、人間と同じ素材に他なりません。

 

「生きた人間」=「生きた素材」=「自然素材」です。

 

次回は、その「自然素材」が人間に与える影響・効用と、メリットデメリットについてお伝えしたいと思います。

 

今回はだいぶ長くなりました。最後までお読み頂けて嬉しいです。ありがとうございました。

出張版☆家づくり図書館26 家づくりのポイント①~正直なデザイン~

こんにちは!空間クリエイターの白岩です。

 

今までに全国各地で、家づくりのポイントというテーマでセミナーやトークイベントを行ってきました。

 

それらの記録に、ここ近年はジャンルを超えた先人や同志、後輩と様々な活動を行っている中で見て聞いて、気付いた事、教わった事、今感じる事、想う事、を織り交ぜてお話ししたいと思います。

 

これから数回に分けて家づくりのポイントについてお伝えしていきますので、家づくりをお考えの皆さんにとって少しでもご参考になれれば幸いです。

 

第一回目の今日は「デザイン」についてです。

 

私は家づくりにとっても、日々の暮らしにとっても、仕事、商売、遊び、、、何をするにしても、「デザイン」が1番重要だと思っています。

 

皆さんは、「デザイン」という言葉を聞いてどんなイメージを持ちますか?

 

おそらく多くの人は「見た目」と思うのではないでしょうか。

 

いつからか日本では、「デザイン=見た目」 や 「デザイン=絵を描く事」 というのが一般的になりました。

 

広告や様々なグラフィック、ファッションなどのイメージが強いからでしょうか。

 

「デザイン」の語源はラテン語の「designare(デジナーレ)」

 

その意味は、「ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること」で、それが世界共通のデザインの意味です。

 

なので、海外諸国では、デザイン=設計デザイン=問題解決手段 という意味で使われています。

 

もっと分かりやすく言えば、何かの概念や思想にカタチを与える事目に見えない何かを可視化する事 です。

 

数年前に「人は見た目が9割」という本が100万部を超えるミリオンセラーになりましたが、人間にとって「視覚」から入ってくる情報やコミュニケーションがそれだけの割合を占めているという事らしいです。

 

デザインと聞いて、グラフィックや見た目を連想する人が多いのもそういう理由なんだと思います。

 

それこそ9割の人が、デザイン=見た目と答えるかも知れません。

 

それだけ「視覚」に与える影響は大きいという事ですね。

 

私は、建築・空間というジャンルのデザインをしていますから、視覚だけでなく触覚、聴覚、嗅覚など他の感覚も意識してデザインしています。

 

味覚も、、と思うのですが料理ではないのでこれがなかなか難しい、、、

 

以前、食品衛生試験適合品の塗装でつくったテーブルをつくって、これは舐めれる家具です!ぜひ舐めて暮らして下さい!と言った事がありますが、舐めてくれませんでした。笑
だって別に美味しくないですもんね。。。

 

どうしても「五感の家」って言いたくて。。。強引でした。笑

 

話は「視覚」に戻って、私がその時に考えたのは、視覚がそれだけ私たちに及ぼす影響が強いのであれば、視覚を丁寧にデザインする事で、またはないがしろにしてしまう事で、人を何よりも気分良くできるし、何よりも不快にさせてしまうのではないかと思いました。

 
ヴィジュアルマーチャンダイジングという、店舗のデザインを研究している方の調査結果では、

 
①五感の中で最も言葉で伝えやすいのは、
視覚(75.7%)、味覚(9.9%)、触覚(6.7%)、聴覚(6.0%)、臭覚(1.9%)

 

②五感の中で最も長く記憶に残るものは、
視覚(71.9%)、聴覚(13.8%)、味覚(7.5%)、触覚(3.8%)、臭覚(3.1%)

 

③五感の中で最も思いでをよみがえらせるものは、
視覚(74.3%)、聴覚(11.8%)、触覚(4.8%)、味覚(4.6%)、臭覚(4.6%)

 

④五感の中で最も感動を覚えるのは、
視覚(72.6%)、聴覚(17.6%)、触覚(6.4%)、味覚(3.0%)、臭覚(0.5%)

 

と、どの調査結果でも視覚の影響力が圧倒的でした。

 
この事はそのまま「脳」へ与える影響、割合という事になります。

 
一言で言えば、視覚的に心地良ければ、7~8割方OKという事です。

 
よくよく考えれば、芸術や美術もまずは視覚に訴えることがほとんどですものね。そこに+αとして、他の4感にも働きかける工夫もありますが。

 

 

かくいう私も以前までは「デザイン」という言葉をとても軽んじていました。

 

失礼な話ですが、デザイナーという職業に興味も敬意もありませんでした。

 

それよりも、「建築家」や「クリエイター」など、どこか思想や哲学を感じる言い方に憧れていました。

 

はっ!!今でも「空間クリエイター」って肩書きにしている。。。笑

 

また脱線しました。すみません。。

 

 

建築・空間、そしてそれ以外の人生や暮らしに関わる全ては、「気分よく」「楽しく」なくては意味がないと思っています。

 

修業やトレーニングならまだしも、家や暮らしが、ましてや一生をかけて創り上げる環境が、「不快」だったり「ストレス」だったり、さらには「脳への悪影響」を与えるものであっては、建てない方がはるかにマシです。いや、建てないで下さい。

 

 

こんな事を今まで何度も自問自答してきましたが、結局いつも「結論」は一緒です。

 
今まで何度考えても、何度考えても、行きつく先は、、、、

 
「好き」

 
である事。

 
その家が。その暮らしが。その環境が。

 
これ以外にないと思います。これが全てだと思います。

 
理屈や理論や言葉は、見る方向や捉え方によって180度変わります。

時には立場によっても。。。

 

でも、「好き」というような感情や感覚はごまかしようがないと言いいますか、見方も捉え方も変えられない。常にシンプルです。

 

 

工学や科学や医学など、理論や理屈が重要なジャンルもあると思いますが、建築・空間においては、どうか「感性」を1番の優先事項にして欲しいです。

 

家は人生のベースですから。私たちが生きていき、子供たちが育っていく環境ですから。

 

「好き」で「心地良ければ」他は何も要らないと思います。

 

ぶっちゃけ、私個人的には「資産価値」とか「性能評価証明書」とかどうでもいいです。

 

一般の皆さんにとって、家づくりは商売ではないですもん。

 
どうか「好き」な家を、自分に正直な「デザイン」で実現して下さい。

 

私たちも、そのための協力は惜しみませんので☆

出張版☆家づくり図書館25 ~身体の芯まで届く木の家~

こんにちは!空間クリエイターの白岩です。

 

前回は、木の居住空間というテーマでだいぶ木を押しました。笑

 
林野庁の研究データを紹介し、木材が「身体の健康」に及ぼす効果について触れました。

 
今回は、木材や自然界の素材が「心の健康」に及ぼす効果についてお伝えします。

 
だって、、、やっぱり「家」は木が良いんですもん。笑

 
「森林浴」という言葉があります。

 

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自然の樹木に囲まれている時なんかに使いますが、ちょっとそれを文化人類学と科学的に見ていきます。

 
まず、人間は今のような文化に至るまで森の中で過ごしていました。そのため本能的にリラックスするという事が言われています。

 
理屈じゃない、DNAレベルの事ですね。私は個人的にはこういう「理屈じゃない部分」が住宅建築においては最も重要だと考えています。

 
だって、数字がどうとか理論がどうとか言ったって、住んでる人が「心地良い」とか「愉しい」って感じなければ何の意味もないと思うからです。

 
話を戻して、、このことを科学的観点で見てみると、「フィトンチッド」という物質が建築材料の教科書なんかに出て来ます。

 
この物質は、樹木が微生物や害虫から自分の身を守るために発散している物質で、これを人間が吸い込むと自律神経が安定し活力が増すということが、科学的に証明されています。

 
そういった、私たちの身体の芯まで届く効果というか、表層の部分ではない根源の部分に働きかける要素こそ、人が毎日生きる空間には最も必要だと考えます。

 
だって人生の全ての出来事の源の部分ですもんね。物事の捉え方だったり、考え方だったり、感性だったり。

 
それによって、他人に見える「書類的な結果」は同じでも、自分にとっての「結果とその後への影響」は180度違ったものになったりします。

 

捉え方、考え方の違いだけで。

 
だったらプラスに捉えられなきゃ大損ですよね。

 
ちょいちょい精神論に脱線してすみません。笑

 
もう一つ、学生の頃恩師に教えてもらって、建築設計に取り入れようとしてきた事があります。

 

「1/fゆらぎ」って聞いた事ありますか?

 

電車の揺れるリズム、自然の風のリズム、小川のせせらぎや小鳥のさえずりとか。

 
電車で眠くなるのはこのリズムのためだったり、最近では1/fゆらぎの扇風機なんかがありますが、要は人間が心地良いと感じる「自然のリズム」です。

 
それは一定ではない自然のリズムで、人間の生体リズムとリンクするのだそうです。

 

人間は自然界の生き物ですから当然というば当然ですね。

 

木材にも1/fゆらぎがあって、年輪や木目です。視覚的なリズムですね。

 

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そう考えると、林野庁の発表している、木の空間にしたら子供の成績が上がったとか、睡眠が深くなるとか老人の転ぶ割合が減るとか、全部説明がつきます。

 

目には当然見えないし、薬のような即効性があるわけでもないですが、根幹を整えてくれる、源をケアしてくれる。

 

なんていうか、西洋医学の局所療法的な薬の考え方ではなく、東洋医学の漢方的な自然治癒力を高める効果ですね。

 

そんな空間に毎日毎日毎日暮らしていたら。毎日が森林浴のような自然界のリズムの中で生活できたら。

 

1年、10年、50年、、、一生涯に得られる効果は計り知れません。

 

これからあらゆる事を吸収していく小さなお子さんならなおさらです。

 

やっぱり、家は木や自然界の素材でつくるべきです。設計士の私としてはやっぱりそれ以外の選択肢はオススメできません。

 

その上で、「気分が良い」「好き」でなければはっきり言ってお金の無駄です。

 

世の中には色んな考え方があります。色んな情報があります。色んな家の姿があります。

 

どれが正しいとかではなく、それぞれに正しさがあります。

 

皆さんはそれらを自分なりに見極め、自分なりに精査しなければなりません。

 

家という建築にとって、日本の気候にとって、その場所にとって、皆さん自身の人生にとって、子供たちにとって、それぞれの状況にとって、、、

 

何が大切だと考えるか。

 

ぜひ、じっくり、冷静に、真剣に、自分にとっての優先順位をつけていって下さい。

 
私たちも真剣勝負でサポートします!

 

出張版☆家づくり図書館24 ~ 木の居住空間 ~

こんにちは!空間クリエイターの白岩です。

 

リオ五輪が終わり、我が国の東京五輪のメインスタジアムも年内にもついに着工するそうです。色々ありましたが。。。

コンペに勝った人も負けた人もよく知っている大先輩ですが、負けた方の人は私の師の師なので、ちょっと悔しい気持ちです。。苦笑
さて、そんなメインスタジアムもそうですが、建築には様々な造り方があります。

 

日本で最もポピュラーな木造。

 

ヨーロッパの歴史である組積増(石やレンガ積み)

 

大規模建築に用いられる鉄筋コンクリート造(RC造)に、高層建築に用いられる鉄骨造(S造)、それらを組み合わせたSRC造に、

 

さらなる超高層建築に対応できるコンクリート充填鋼管構造(CFT造)など、細かく分類すればもっともっとあります。

 

建築とは、用途、規模、内容、求められる空間などによってそれらを選定し、あるいは一つの建築の中において適材適所で複数の構造を使い分ける事で計画、構築されていきます。

 

戸建住宅、カフェ、事務所ビル、保育園、小中学校、高校、大学、商業施設、体育館、美術館、温泉施設、ホテル、アパート、マンション、公園、駅、スカイツリー、、、、

 

今まで、あらゆる建築に一通り何らかのカタチで関わってきました。

 

これだけ多岐に渡る建築群ですから、プロジェクトリーダー、設計担当者、見習い弟子、空間デザイナー、デザン顧問、アートディレクター、インテリアデザイン、設備設計者、照明計画、など関わり方は様々でしたが、この目で、この体で、自分の感性で、建築というものの真実を体感したく、時にはアポ無しでいきなりおしかけて。。笑
でも散々、師匠たちに迷惑をかけたおかげで、雑誌を見たりや見学するだけでは得られない、建築への感性をなんとなく得る事ができました。

 

 

その中で、「住宅」という用途において、ここ「日本」で建てる場合に最も適した構造体は、「木造」もしくは「RC+木造」であると断言できます。
RC+木造というのは、1階部分を強固なRCで造り、車庫や倉庫、アトリエや水回りなど居住空間ではない用途に用い、2階以上の居住空間部分に軽く断熱性能や空間の質など
居住性を高められる木造でつくる手法です。
故・吉村順三さんの歴史に残る名作、軽井沢の山荘が良い例ですね。

 

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話は戻って、、、
人間の居住空間は「木質」が最適です。
湿気の気候風土であるこの国、日本においての最適な建築構造は「木造」である事を日本の建築文化が証明しています。
自然物である生きた人間の私たちには、同じ自然物である木をはじめとする「自然素材」が最適合素材です。
林野庁が面白い研究データを発表しています。
・木材は、人の生理面や心理面に良い影響を与えることが知られています。例えば、特別養護老人ホームでの調査によると、木材を多く使用している施設では、インフルエンザにかかったり、転んで骨折をしたりする入居者が少ないという結果が出ています。
マウスを使った実験では、木製の飼育箱で生活するマウスの方が、金属やコンクリートの飼育箱より生存率が高い結果がでています。体重の変化を見ても同様です
・木材は、無数の細胞からなり、そのひとつひとつに熱を伝えにくい空気を含んでいるため、コンクリートなどに比べ高い断熱性をもっています。木材、ビニールタイル、コンクリートを床材にして、足の甲の皮膚の温度変化を測定すると、コンクリートがもっとも足が冷え、木材がもっとも冷えなかったという結果が得られています。
・木材は、紫外線をよく吸収するため、木材から反射する光にはほとんど紫外線は含まれません。紫外線の反射が少なければ、目に与える刺激も小さくなることから、木材は目にやさしい材料であるといえます。
・杉の香りは脳活動と自律神経活動を鎮静化し、リラックスした状態をつくり、薄い塗料は無塗装と同様の血圧の変化を示しますが、厚い塗装は金属に近いストレス反応を示します。
・ある小学校で、木製の机と椅子を導入したところ、子ども達が、物事に熱心になった、あくびがあまりでなくなったといった「良い傾向の変化」が多かったという調査結果も出ています。

 

詳しい研究データなどは下記をご覧下さい。

 

林野庁HP -木材は人にやさしい-

 
例えばそれがお店なら、まずは繁盛する空間を造らねばなりません。

 

それが居住性を高める事で叶うお店もあれば、スタイリッシュで無機質なコンクリートの箱にする事で叶うお店もあります。

 

建築にはそれぞれ用途があり、目的があり、適した構成や素材があります。

 

 

そして、それを求める人提供する人の、夢、想い、願いがあります。

 

 

何か一つの考え方に固執するのは間違っているし、木造を肯定して他を否定するわけではありません。
(と言いつつ、コンクリートの建築を追及して世界一にまでなった高名な建築家の前でコンクリートの家を否定して、うるさい!と一喝された事もありましたが。。笑)
実際その人をめちゃくちゃ尊敬しているし、コンクリートや石の重厚な空間も、鉄骨の軽やかで開放的な空間も、大好きです☆
ただ、生きた人間である私たちの毎日の「生活の場」は、どうか木で、自然界の素材で造って下さい。

 

これから成長し、体が出来ていくお子さんがいるならなおさらです。

 

数値には表れない、目には見えない所でも、きっと私たちは「空間の影響」を受けています。

 

友人関係や動物との関係がそうであるように、きっとそんな目には見えないレベルの自然界からの恩恵が、私たちの「心」や「感性」に長い年月をかけて蓄積していくのだと。

 

そして、その事が住宅という建築においては何よりも大切にしなければならないのだと信じて、私は今日もまたペンを握りたいと思います。

 

出張版☆家づくり図書館23~小さくて、資産になる家~

 

こんにちは!空間クリエイターの白岩です。

 

最近よく、自分の自邸計画の事を考えてスケッチしたりしてます。

 

(全く予定は無いのですが。。笑)

 

 

プランやデザインはたくさん悩みそうですが、コンセプトは10年以上前から決まっています。

 

「とことん小さく計画して、とことん品質を高める」

 

 

これが究極の住宅だと考えています。

 

 

もちろん、大きくて品質も良くて、、なら理想かも知れませんが、そんなお金はありません。笑

 

 

設計士なのに家にそこまでお金をかける気もありません。笑

 

 

でも面白い事に、「名作」と言われる家は小さな家ばかりです。

 

 

その名作を設計した大先輩は、大きくて予算もふんだんにあると特に何も考えなくても要望が満たせてしまうけど、小さいと知恵を絞るしかないから結果良質な家になる。と言っていました。

 

 

例えば、この家はヒアシンスハウスという5坪の家です。

1~2人用の小さな小屋住宅。

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こちらは9坪ハウス。ファミリー向けの最小限住宅と言われる家です。

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上がオリジナルですが、この名作をリスペクトする多くの建て主や建築家たちによって様々なデザインでバリエーションが出来ています。

 

 

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面積は必要なだけあれば良い。

 

それよりも「質」を高めたい。

 

小さければ小さいほど良い家になる。と私は考えています。

 

将来もし売る事になっても、ただ大きいだけの家より小さくても高性能、高水準の品質の家の方が資産価値も上がります。

 

それこそ、とことん質とデザインにこだわれば、国が文化財として買い取ってくれるかも。。。

 

いやいや、それなら博物館にしたり量産したりしてビジネスにすれば遊んで暮らせるんじゃないか。。なんて、子供じみた妄想をしてみたり。笑

 

でも、「価値」とはそういう事です。

 

 

やっぱり30坪はないと、、といったような世間体や、なんとなくどこかで見た事や聞いた事がある、、といった先入観は、とっても邪魔だと思っています。

 

自分が良いと思えるもの、みんなが良いと感じるもの、社会が良いと認めるもの。

 

 

まずは自分自身が価値を感じる家。

 

 

そして、他者や社会も価値を感じてくれる、資産になる家づくりをしたいですね!

 

 

 

 

 

 

 

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