家づくりカフェ30 ~家のタイミング~
こんにちは!設計士の白岩です。
よく家を車やエアコンのように、今日より明日、明日より1年後の方が良い家が出来るのではないかという質問を受けます。
それはその通りだと思います。
今日より明日、明日より1年後の方が、技術は進歩し、新しい素材や材料が発見され、私たち設計士や職人の腕も上がります。
でも、、、そんな事言ってたら、何も一生買えませんよね。笑
まぁでも、、家は多くの人にとって一生に一度の買い物ですから、車や家電のように新モデルが出たら買い替えるなんて事はできませんので、その気持ちもとても良く分かります。
でも私は、誰しもに、家を買うタイミング、買えるタイミングというのが存在すると思っています。
それは、年齢的な人生設計のタイミング、貯蓄やローン返済年数からの逆算などの資金的なタイミング、子供が産まれ家族が増えたタイミング、親が定年退職するタイミング、気分的なタイミング、、
人それぞれにタイミングがあると思います。
私はそういった「時」がその人の人生においての家を買うタイミングだと思っています。新モデルうんぬんではなくて。
あと1年貯金すれば、次のボーナスが出れば、希望する家に手が届くなどの理由でしたら、そのくらいは待つべきかなとは思いますが、基本的に私は、気持ちや状況的に、買う・買えるタイミングが来ているのに、来年には新商品が、、、みたいな理由や、決断から逃げて先送りにしたその1年という「人生の時間」の方がはるかに尊いと思っています。
新しい家で、希望の家で、新しい生活が送れるはずだったその1年は二度と取り返せません。
より良い子育て環境を悩んでいる内に、そもそも子供が育ってしまったみたいな。笑
何でもそうだと思いますが、こと家に関しては特に正解はありません。
というより、生活も状況も好みも年齢も、誰しも例外なく必ず変わります。
今も100点、そのまま10年後も100点はあり得ないんです。
できる事は、どう変わるかは誰にも分からないけれど、「変わるという事を前提に」考えておく、作っておくという事くらいです。
そして家は、特に木造の家はそれが可能です。
住む人の様々な変化と共に手を加えながら共に変化していく家。
そんな柔軟でおおらかな家を造って下さい。間取りも素材も考え方も全て、ちょっとラフなくらいがちょうど良い。
昔、ある超有名な建築家の先生に、「先生の家は芸術品のように精巧に緻密に造られていて素晴らしいですが、四六時中スーツを着てるみたいで肩が凝ります」と言って、「うるさい!」と怒鳴られた事がありますが、(笑) 家は普段着のようにラフに、破れたらもっとかわいく縫えば良いくらいの気持ちで考えるべきだと思います。
単純に、その方が人生楽しいですもん☆
前置き?が長くなりましたが、、笑
今週末、この「時」にこの「場所」を選んで、人生に縁があって完成したNさんのお宅の完成見学会を開催させて頂ける事になりました。
ぜひ、ある人の場合の時と場所と人生のタイミングと、ここからはじまる次の未来への暮らしのイメージを、皆さん自分の場合に置き換えて感じてみて下さい。
きっと参考になる事ばかりだと思います。