家づくりカフェ19 ~空間のチカラ2~
こんにちは!白岩です。
今日は「空間のチカラ2」という事で前回に続き、ワクワクできるような空間をご紹介します。
前回は空間のチカラを空間の付加価値と捉えてご紹介しました。
今日はもう一つの空間のチカラ。
空間による”課題解決力”について、いくつかの事例を交えながらお伝えしたいと思います。
①マンションへ新たな商品価値を
このマンションはミュージションと呼ばれる、今やあちこちに建っている楽器OKのマンションシリーズです。
私も何棟かお手伝いさせて頂きました。
その内の一つに、都内の線路沿いで騒音がひっきりなしにすさまじく、借り手が全くいない廃業寸前のマンションがありました。
皆、どうやって騒音を軽減するか考えますよね。
皆当たり前に騒音を「否定」してしまうんです。これだとまず成功には辿りつかないですね。多分、何事も。
でも視点を少し変えて、騒音を「肯定」してみたら答えが見えたんです。
騒音を逆手に取って、演奏OK!楽器OK!の音楽家のためのマンションにしました。
すると、家賃は周辺相場の1.3~1.5倍にもかかわらず、今でも空き待ちの絶えないマンションとなりました。
②1本の桜の木からはじまった家づくり
この家は、敷地の隣が東京都の管理する緑道で、1本の桜の木が植えられていました。
建て主さんと敷地を見に行って、その場で僕が桜が目の前になるようなリビングの大開口窓をスケッチして提案し、その場ですぐ不動産屋さんに電話してここに決まりました。笑
敷地としては、旗竿敷地と呼ばれる奥が袋小路になっている扱いづらい敷地で、手前の整形の敷地よりも2百万円くらいも安かったんです。どう考えてもこっちの敷地の方が環境が良いのに。
机上で決まった金額はあてにならないなと思いましたね。建て主さんとは、しめしめって笑い合いましたが。笑
ほんとにリビングとキッチンからのこの窓の風景以外何も決まってないのにはじまった家づくりです。
チラシの裏に1分で描いたスケッチ1枚で設計依頼してもらえるなんて、僕もついに巨匠の仲間入りか!なんて思ったら、そんなミラクルはこれっきりですね。笑
③洞窟カフェ
これは私ではなく、私の師による設計の喫茶店です。
吉祥寺サンロードにある、
「くぐつ草」
数々のメディアで紹介されている有名店です。
雰囲気のあるアプローチを地下に下りて行き、扉を開けるとそこには、、、
まるでジブリの世界のような、素敵な空間があります。
モルタルを塗った天井と壁を、固まる前に皆で徹夜でトンカチで叩いて自然界の洞窟のような空間を造ったと思い出話を聞いたことがあります。
建て主さん、設計者、施工者、関係者、みんなで共同作業して造り上げたこの空間は35年経った今でも行列の絶えないお店であり続けています。
それは空間のチカラです。
それと、やっぱり味も最高でして、ここのコーヒーとカレーは絶品です!ぜひ一度ご賞味下さい☆
では、今日はこの辺で。