出張版☆家づくり図書館21 ~健康住宅と天地人~
こんにちは!空間クリエイターの白岩です。
戦国時代の英雄、上杉謙信は孟子の言葉を引用し、戦に勝つための3要素を「天地人」と表現しました。
天の時、地の利、人の和
現在でも、物事を成しえるための三才として言い継がれていますが、私は、家づくりにおいても全く当てはまると考えています。
その時代に、その場所で、誰と創るか。
その時代における最善の方法で、その場所を読み解き、共に造り上げ共に生きていく。
どれが欠けてもうまく行かないと思いますが、さらに言うなら、
天の恵みの絶好のタイミングは地の利には及ばない。その地の利でさえ、人々の団結力には及ばない。
語源の孟子の言葉を解読するとそういう意味になるそうです。
この3つの条件に優先順位をつけるなら、共に創る人→造る場所→作り方。という事なのでしょう。
身が引き締まる思いです。
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先日、シックハウスにとても敏感な方が住まいの相談にいらっしゃいました。
数々の住宅展示場に行ってみて耐えられなく、弊社のモデルハウスも3つご覧頂いたみたいで、
Aは平気で、Bはまあまあ平気で、Cはキツかったと。。。
正直すごいと思いました。
なぜなら、Aはほぼ100%自然素材で出来ていて、Bは95%くらい、Cは90%くらいでつくられているからです。
その微妙な差を理屈でなく感覚で感じ取れるとは、、と不謹慎にもびっくりしました。
さらに細かくモデルハウスの各部屋や各ヶ所でのお話しを聞いていくと、何の素材がNGで、何の素材はまあ大丈夫で、何の素材は全然平気かもわかりました。
数年前、やはり同じように化学物質に過敏な方がいらっしゃって合板の類は一切使わず、接着剤も使わずという家を造ったことを思い出しました。
自然素材100%の仕事というのは私たち設計者にとっても冥利に尽きる機会ですが、現代において自然素材100%の家というのはなかなかハードルが高いのが実情で、その中でも特に大きな2つのハードルをご紹介します。
ハードルその1: コストアップ
歯がゆいですが、昔ながらの本来の日本家屋は自然素材100%どころか、ビスも金物も使っていませんでした。
いわゆる古い作り方ですが、新しい作り方よりもはるかにコストがアップするのです。
しかしながら今回の場合は、コストを理由に自然素材をあきらめたらそもそも家を建てる意味が無いと申し上げました。
高いコストをかけるべきと言っているわけではありません。
毎日のストレスや不健康な環境をわざわざ何千万円もかけてつくるなんて馬鹿げているし、私はどんなにお金を積まれてもそんな家の設計はお断りします。
予算は誰にでもあり、状況は人によって違います。
考えるべきは「何を優先するか」です。そしてそれは一人一人違います。
人によって状況、希望、事情、好み、ライフスタイル、全て違うのにも関わらず、部分部分を抽出して比べ、高い安いと比較するのは時間の無駄です。内容が違うのですから。
大切なのは総合的な結果
「それらを含め私の場合に全体でいくらなのか」
比べるとしたらそれ以外にありません。
ハードルその2: 耐震性
自然素材の家というのは「素材」としては人間にとって何より健康的で自然で最適な素材ですが、科学的に研究され人の手で作り出された工業製品と比べると「強度」が劣ります。
これが最大の弱点です。
しかし、方法はあります。
実は「耐震」という考え方は日本本来の考え方ではないと知っていましたか?
昭和20年に太平洋戦争が終わり、日本はアメリカ軍主導の下で復興計画や様々な政策が立てられました。
建築基準法もその内の一つで、昭和25年に施行されました。
その時に定められた地震対策が「耐震性」です。
なので、耐震という考え方はアメリカの考え方です。地震に対して耐える、力に力で対抗する考え方。
アメリカっぽい、、とか言うと色々まずいのであまり言いませんが。笑
向こうは地震ではなくハリケーンの気候風土ですから、そのためかも知れませんね。
話は戻って。
「耐震」は建築の強度にとって基本であり、有効な考え方の一つです。
現在では最も経済的な手法です。
でも、、、地震対策は「耐震」だけではない事をご存知ですか?
〇ーベルハウスは「耐震」
法隆寺は「〇震」
スカイツリーは「〇震」
〇には何が入るでしょう?
答えは、、、
今週末、9/17・18・19に地震対策セミナーを開催します!!笑
技術的、建築力学的有効性とともに、保険や保証などリアルなお金のお話も聞けます。
設計・施工とともに不動産、税金、全体資金計画まで一貫してフォローできるシムラならではの総合的で複合的な現実的セミナーです。
ご興味ある方はぜひ、健幸工房シムラまでお問合せ下さい。
前述しましたが、大切なのは「結果」です。
耐震も〇震も、省エネも断熱も気密も、自然素材も。
全ては「結果」のための数あるアプローチの中の一つです。
天・地・人
その時に、その場所で、私たちと、どんな手段を用いて、何を優先して、その場合に最適な「結果」を創り出すか。
ただ、それだけです。
そして私たちの家づくりのプロとしての役目はそれに尽きます。
聞いておいてきっと損は無いですよ☆
健幸工房シムラ
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