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11/7(土)-8(日) 「日本の家」完成見学会

 

日本のカタチ×住み手のクラシ×造り手のキモチ=シムラの家づくり

 

青梅市藤橋に、住む人の暮らしに寄り添う家が完成しました。
今週の土日、11/7・8で完成見学会を行います。

住まい手のTさんと一つ一つ丁寧に、親しい友人のように時には雑談も含めた対話を重ね、希望や想いそして未来を語り、紡ぎ合わせながら創ってきた住まいです。

ショートカットのできる「家事動線」

今持っている物やこれから買うであろう物、そして性格やライフスタイルに合わせて造った「ライフオーガナイズ家具」

壁一面全部収納にした「ウォークイン押入れ」

ちょっと横になったり、洗濯物を取り込んだり、子供の遊び場やお昼寝場にもなる「小上がりゴロ寝タタミ」

外の陽を浴びながらちょっと腰かけられる「出窓ベンチ」

通常は廊下のデッドスペースになってしまう場所に設けた「プチ書斎」

など、暮らしを彩る仕掛けがたくさんあります。
きっと様々参考になると思います。ぜひ、ご覧頂けたら幸いです。

 

この家は4年半前の東日本大震災の少し後に行われた「これからの住まい」という全国設計コンペで優秀賞に選んで頂いた「絆を育む住まい/付かず離れずの空間」という考えに基づいて空間をデザインし、提案しました。

 

あのコンペから今まで、あの時の思想や想いを一つ一つ確かめながら現実化させてきましたが、建築というのは思想が現実の結果に反映されるまで長い時間がかかると言われる通り、あの時の「これから」が「今」なんだなとしみじみ振り返っています。

 

戦後、復興期~高度成長期の日本は「力を合わせなければ生きていけない」時代でした。
その後高度成長期が終わり世界2位の経済大国になった後、グローバル化・インターネットの時代になり「一人でも生きていける」時代になりました。
携帯電話の普及で人に会わずとも大抵の用事は済ませられるようになり、Windows95の普及で世界中どこにいても、誰とでも、仕事ができるようになり、個人がテレビCM並みの発信力を持つようになりました。

 

日本の家は個室中心の間取りになり、世界中の画像だけで造られた、海外デザインを表面だけ真似た○○風や○○調のデザインの家が増えました。
結果、個室で分断された家の中には風が通らず、陽が届かず、家族の関係でさえ分断してしまうような、部屋数の多さがステータスだと勘違いした間取りが「個の時代」に拍車をかけました。

 

そして4年半前のあの日、宮城-福島を中心に未曾有の大災害が起き、私たちはやはり力を合わせなければ大自然の前では全くの無力だと言う事を思い知らされました。
縄文時代からずっと何千年も自然を恐れ、敬い、憧れ、愛でて生きてきたはずの私たち日本人が、いつの間にか自然さえもマウスでコントロールできるような錯覚に陥っていたのだと思います。

 

あの震災の後、私は現地に行く事ができませんでした。
自分の無力さを思い知るのが怖かったんだと思います。
自分にできる事は何か。。
あの時の私には結局、目の前の設計に自分の想いを込める事しかできませんでした。
福島は故郷なのであれから何度も帰省していますが、実はいわき地方には未だに行けていません。
あの時の、悔しいような、情けないような、悲しいような、でも未来を信じ立ち向かいたいような、、、
なんとも言えなかった気持ちが、今一つの「カタチ」になりました。

 

次に帰省した際は、足を運んでみようかと思っています。

 

設計担当 / 白岩久知

 

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