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2015年9月

出張版 家づくり図書館 「収納」

こんにちは。設計士の白岩です。
ずいぶん久しぶりの家づくり図書館です。すみません。。。何回目なのかもわかりません。笑

 

今日のテーマは「収納」です。

 

「良いリビングをつくりたければ、まずは良い収納を考えてみなさい」
恩師の言葉です。

 

大小、多い少ないの個人差はありますが、「物」とはトイレやお風呂同様、生活にかかせない要素の一つです。という事は、家にとってもかかせない要素の一つです。

 

よく「収納が苦手」という建主さんとお話ししてましても、誰だって散らかしたいわけではないし、
煩雑な空間よりきれいに片付いた空間の方が気持ち良いと感じるのはみんな共通しています。
ではなぜ片付かないか。
色々聞いていると、まずは単純に「収納する場所」が無いんですよね。
あとは「捨てられない」とか「不要な物が多い」などなど。。。

 

この「捨てられない」とか「不要な物が多い」といった部分は、物事の考え方や性格、収納との相性など精神的な部分が実は多くを占めています。
弊社には「ライフオーガナイザー」という、収納のテクニックや収納の仕方という「答え」の部分だけでなく、そこに至るまでの考え方、捉え方、脳や性格のタイプなど、収納という事に対してただ単に「収納するお手伝い」だけではなく、その人その人に合った収納の仕方、考え方、向き合い方など、根源的な部分からアドバイスできるプロフェッショナルもいます。
収納がストレスに変わってしまったら辛いだけですから、何も強制的に片付ける事が収納ではない。暮らしや住環境を「気分良く」する事が収納の目的だという事なんですよね。
ご興味ありましたら、設計打ち合わせなどに同席してくれますのでいつでも言って下さいね。

 

では、建築の空間的な「収納」については私の専門分野です。これにも色々な見方、賛否両論あります。

 

「収納は多ければ多い方が良い。けれどリビングはできるだけ広く取りたい。。」
「納戸が欲しい。でもそれでリビングや寝室が小さくなるのは嫌!」
「家全体の金額で考えるとリビングの1坪分と収納の1坪分が同じ金額。。なんか収納つくると損した気分になる」

 

収納とリビングや寝室は、家の中の用途としては陰と陽のような関係なので相反する性格を持っていますからこのようなご意見を良く聞きます。
なかなか矛盾だらけでございまして、難問です。笑

そこで20年くらい前から流行り出したのが「見せる収納」というテクニックでした。
(建築の歴史的にはもう65年くらいも前にスウェーデンのストリングという建築家が壁面収納家具を設計したのがはじまりと言われていまして、今でも”string”は北欧を代表する壁掛け家具です)

それは、昔は廊下の薄暗い突き当たりにあった階段をリビングの中につくる「リビング階段」と同様、画期的な発想でした。

でも見せたくない物だってあるし、そっちの方がはるかに多い。。
その需要に伴って様々な建築家が色んな収納を発想していきます。
何か別の用途と兼ねる、「複合型収納」のはじまりです。

 

階段の下を利用した収納。
見た目は壁と全く一緒になる壁収納。
こっち側とあっち側から使える収納。
上はベット、下は収納。
椅子の座面の下の収納。
床の下の収納。
天井の裏の収納。
壁を凹ませた収納。
などなどなど。。。

 

私が以前、ビフォーアフターというテレビ番組で取り上げて頂いた家も、その理由の1つはこうした「収納の仕掛け」でした。
見た目は壁。押すと動いて、半分倒すとベットになって、もう半分倒すとテーブルになって、その下を引っ張ると椅子が出てきて、椅子の座面を開けると収納になって、、みたいな。
やり過ぎて、複合ならぬ「複雑収納」になってしまいまして。。。もうよく覚えてません。笑

 

複雑収納は、費用対効果的にも日常の使い易さ的にもオススメできませんが、複合収納はオススメです。
例えば、坪単価70万円の家で1坪分の収納をただの収納空間にしたら、そのスペースをつくるだけで70万円。その中に棚やら何やらつけていったらすぐ100万円オーバーです。
それと同じ用を満たす複合家具が何個つくれる事か。。。
おまけにそのシワ寄せで寝室が1坪減ったりなど、踏んだり蹴ったりです。。。

 

費用対効果が重要な個人の家において、「兼ねる」という考え方は収納に限らずとても有効です。
単純に1つの値段で2つ、または3つの用を満たせるのですから。
そうして合理的に節約したお金で好きなインテリアを揃えたって良いですし、建物や設備機器の性能UPに使ったって良いですし、車買ったって良いですし。
知恵と工夫で、総合的に暮らしを豊かにできるわけですよね。
それら一つ一つの「暮らし」を丁寧に考えて積み重ねていく事が、「家」を考えるという事だと思います。

 

「収納」と言うと収納単体で考えがちですが、全て繋がっていくんですよね。
それが「バランス」という事だと思います。
コストバランス。デザインバランス。そして、皆さんの毎日の生活や人生設計のバランス。

 

「良い窓をつくりたければ、良い壁を考えてみなさい」
同じ恩師の言葉です。

 

今では半分、いや3割くらいは分かったつもりなんですが、まだまだわかってないと言われるかな。。笑

設計の引出し

こんにちは。設計士の白岩です。
ちょっと遅い夏休みを頂き、四国へ行ってきました。

ずっと行きたかった初の四国☆
台風を横目にスケジュールを変えまくり、嫁さんを振り回し、いや振り回され?笑、
今回もまた色々な風景、建築、食べ物、文化に触れてくる事ができました。

ここでは少しずつご紹介しますので、また打ち合わせなどでお会いした時に色々お話しできたらと思います。

 

香川県庁舎 (高松市 / 丹下健三)

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北浜アリー (高松市 / 井上商環境設計事務所)

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丸亀美術館 (丸亀市 / 谷口吉生)

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伊丹十三記念館 (松山市 / 中村好文)

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道後温泉本館

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道後館 (道後温泉 / 黒川紀章)

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男木島 (香川県)

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豊島美術館 (香川県 豊島 / 西沢立衛)

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今回は、大きな建築物をメインに回りました。
個人住宅に最終的に表れるのは、個別の快適さ。
個人住宅以外の建物に最終的に現れるのはその1歩手前、みんなに共通する快適さです。その建物の建つ場所を環境を読み解く事、光と闇、風や大地、広がりと落ち着き、精神性や美しさ、などなど。

その「みんなに共通する快適さ」が設計者、特に住宅の設計者には重要で、
住宅設計という仕事をしていると8割以上はその追求と提案になります。
(現実はその9割以上雑務に振り回されてますが。。。笑)

その基本があってはじめて、住宅という建築で個々の住む方のカタチに応用させる事ができます。

今回もまたたくさんの空間体験の引出しを仕入れてきました。
その「空間体験の引出し」「専門知識の引出し」が設計者の「設計の引出し」となります。
そこにリアルな日常の生活者としての感性や視点、自分自身の暮らし方やセンスからの「暮らしの引出し」が掛け合わさり、
「住まいの提案力」となるのだと思います。

全国のあるいは全世界の先輩方の「結果」
同世代の仲間たちの「取組み」
後輩世代の「新感性」

それらから学びながら建築士としての専門性を追求し、家としての「安心と安全」「快適さとコストを含めた合理性」を。
毎日の等身大の生活から「暮らしの愉しみと心地よさ」を。

我々設計者にとってお客さんに満足して頂くのは最低限の前提であり、スタートラインです。

お客さんの希望に対し、専門家として専門家ではないお客さんの想像を超える提案をしてはじめて、私たちに依頼される意味があります。

また一つ、この経験を自分なりに料理し、皆さんへ提供しますので、また味わって頂けるのを楽しみに、建築設計に向かいたいと思います。