出張版☆家づくりカフェ03 ~住む人にとっての適材適所~
こんにちは!空間クリエイターの白岩です。
時代性なのか、最近よく家や建物の建築デザインや空間デザインだけでなく、ビジネスのデザインの相談を受けます。
何かに形を与えたり、感覚的な何かを具現化する従来のデザインではなく、「仕組み」や「チームフォーメーション」など目には見えないデザインです。
うまくいけば社会に変革を起こしそうな革命的なものから、昔ながらの商売まで内容は様々ですが、中でも特に新しい世代の事業家たちのビジネスに刺激や将来性を多大に感じています。
そんな中で特に参考になるのが「コラボレーション」という名の「適材適所」の考え方です。
私の業界でも最近は、若い世代の「コラボによるチーム」が、昔はスターと呼ばれた「なんでもできる個人」にことごとく勝利しているのが現実です。
彼らには「こうあるべきだ」「こうでなくてはいけない」といった固定観念やしがらみが良い意味で無く、驚くほど柔軟に、合理的に「目的を達成する上での最善最短のルート」を導き出します。
では、新しさだけで古き良きものをないがしろにしているのかと言えば、そんな低いレベルではなくとても素直に真似るし盗むんです。。
(これは先輩としてはものすごく脅威です。。)
目的には頑固に、それを達成する手段には柔軟に。
しかも、ジャンルを問わずに柔軟にコラボするわけです。
私の分野で言えば、全体計画はクリエイティブディレクターがやって、図面は建築士が描いて、完成予想図はイラストレーターが描いて、計算は数学者がして、法律は弁護士が調べて、見積りは大工がやって、、みたいな事です。
技術は関わる人数分掛け合わさり、知恵や知識もチームの人数分倍増するわけです。
これでは一人よがりでガチガチな頑固さだけの古いスターでは、とてもじゃないけど敵わないわけです。笑
私はこの柔軟で素直に本質に向かう姿勢に、「本来の温故知新」そして、「本当の適材適所」を見出したわけです。
前置きが長くなりましたが、私は最近、この「本当の適材適所」という姿勢を、家の造り方や設計の内容に置き換えてご提案するようにしています。
住宅業界では適材適所という言葉は特に材料の使い方に対して使われてきました。
柱に向いている材料。梁に向いている材料。水場に向いている材料。和室に向いている材料。。
あるいは、湿気をコントロールしてくれる材料。空気をきれいにしてくれる材料。汚れにくい材料。掃除しやすい材料。子供の学習能力を高める材料。お年寄りが転びづらい材料。睡眠が深くなる材料。熱を逃がさない材料。熱を逃がす材料。風を通す材料。地震に強い材料。燃えにくい材料。。
さらには、子供の脳の発達をうながす材料の使い方。取り換えやすい造り方。変化しやすい間取り。風景に馴染む建ち方。日本の気候に適する形。時代に左右されない価値観のデザイン。。
場合によっては、木でも自然素材でもない人工材料の方が良い時もあると私は考えています。
人の住む家の最適な環境をつくるには間違いなく木造が良いと思っていますが、いわゆる「民家」や「日本家屋」を再現するだけでは不正解だと思っています。
それは50年前の正解であって、平成28年の正解ではないわけです。
それはただのノスタルジーであって温故知新ではない。温故しかない状態だと思っています。
「目的」に対し「最適」で「最短」な選択やルートをご提案する事。
過去の先入観や古い常識に捉われる事なく、柔軟に未来へ向かう発想で。
建てる人にとって、住む人にとっての適材適所。本当の適材適所とは何か。
日々試行錯誤し、最適最善の提案ができるように学んでいきたいと思います。