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出張版☆家づくりカフェ02 ~間と志~

こんにちは!空間クリエイターの白岩です。

 
急に寒くなりましたね。近年は、春や秋といった中間期(緩衝期)がどんどんなくなっている気がしてなんか不安です。。

 

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さて、家にも、春や秋といった中間領域(緩衝空間)が重要なのはご存知ですか?

 
今でも日本の家の寸法単位に使われている「間」という言葉。

 
「けん」や「ま」と呼び、1間(いっけん)=1.82m=タタミ1枚分や、6帖一間(ろくじょうひとま)なんて言葉をよく聞くと思います。

 
この「間」という言葉は「中間領域」が由来になります。

 

 

人間の祖先は洞窟や森に住んでいて、ヒトとしての知恵が身に付き、文化ができはじめ、という空間ができてきたわけですが、その発祥を辿っていくと、はじまりは、雨や風、外敵から命を守るための術でした。

 
それが住処として当たり前になってきて、次に私たちのご先祖様は、家の内(室内)と家の外(自然)との距離や関係性を考えるようになりました。

 

 

その時に、家の内と外の「あいだ」に生まれた空間が「間」のはじまりです。

 
それ以降、「間」という言葉は「何かと何かのあいだにあるもの」という意味を持つようになります。

 
人「間」 、 空「間」 、 時「間」 、 世「間」 、、、

 
話を戻して。

 
この「間」という中間領域。

 
現代にも、縁側や軒下という場所として残っています。

 
雨戸や窓や障子もそうです。

 
外と内をつなぐ場所。

 
夏の強い日差しを防ぎ、冬の暖かい陽を呼び込み、多湿の日本の雨から住処を守り、日本特有の四季を愛でる場所。

 

猫が気持ちよさそうに日向ぼっこしている場所は家の中ではないですよね。必ずといって良いほど、この縁側的中間領域に居ます。

 

という事は、この中間領域が生き物にとって最も心地良い場所であると言うことです。

 

当然、私たち人間にとっても。

 
昔お世話になった師匠に、

 
「私のような凡庸な人間が作り出した家の中になど豊かさは無い。人間にとって豊かなもの。喜び。心地よさ。は全て外(自然)からやってくる」

 
「良い家をつくりたければ、外と内をつなぐ場所(窓などの開口部周辺や縁側などの中間領域)を大切に大切にデザインしなさい」

 

と教わりました。

 
それ以来かどうかはわかりませんが、私もできる限り縁側的な空間や深い軒を提案するように心がけています。

 
近年の大雪や強風、省エネルギー基準や耐震、、、地球の気候も少しづつですが変わっているでしょうし、文化や技術、制度もどんどん変わって行く中で、提案したいのにそれを阻む障害が多いケースも正直あります。

 
でも、いつの世も人は人だし、心地よさや安心感など五感や感性で感じる部分や、日光浴や通風による湿気のコントロールなど身体的な健康に関わる部分というのは、人間が人間である限り変わらないと思います。

 
行き過ぎた制度や基準からは、大きなビジネスの匂いやどこかの誰かの強欲の影が見え隠れも正直しますが、

 
(あんまり言うと国からの仕事が無くなる。。。笑)

 
制度も基準も人と自然環境のためにあるのが本来の姿だと思うので、真摯に正直に「住む人と周辺環境のための家」をデザインしたい。

 

たとえ全ては実現できなかったとしても、大きな圧力でたとえ一人だけになったとしても、少なくとも自分の生きる「志」として貫き、提案はし続けていこうと思っています。

 

同志募集中!!笑

 

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