出張版☆家づくり図書館31 家づくりの先にあるコト~遊び、愉しみ、暮らし~
こんにちは!空間クリエイターの白岩です。
前回までに数回に渡って家づくりのポイントについてお伝えしました。
「デザイン」「素材」「性能」「間取り」
これらは「家」をつくるための大切なポイントですが、家をつくるための手段であって目的ではありません。
つまり「過程」ですね。
すべては、その先にある「結果」を実現するためにあるものです。
では、その先にある結果とは、、、
デザイン → 喜び
素材 → 居心地
性能 → 快適さ
間取り → 住みやすさ
という事だと思います。
つまり家づくりのポイントとは、その先にある暮らしづくりという目的のための手段です。
私は、その暮らしづくりこそが家をつくる意味だと思っています。
そうではない考え方の家づくりもたくさんあります。
なので、結果としての「家」には様々な形や造り方が存在します。
もし、ただ単に「家」という「物」が欲しいのであれば、私ならば建売住宅を10社くらい比較して、一番安くて一番性能が良い家を「買い」ます。
でも、「家」の先にある「暮らし」を求めるのなら、「造る」しかありません。
家という「モノ」は売っていても、暮らしという「コト」は売っていないからです。
なので、私たちのように家を「造る」職業にとって最も大切で、私たちにしかできない事は「暮らし」を創造し、提案し、提供することだと思っています。
では、暮らしって何でしょうか。。
私もよく分かりませんし、きっと答えなんて無いのでしょうが、今まで空間のデザインや建築設計をやってきてなんとなく、「遊び」や「愉しみ」という生活のワンシーンの事なのかなぁって感じます。
少なくとも、私たちが空間や人の動きをデザインして実現できることはそういうことかなと。
そのため私は、「デザイン」「素材」「性能」「間取り」と同時に「暮らし」という生活のワンシーンをイメージし、「遊びの要素」や「愉しみの仕掛け」「空間の余白」などをいつも提案したいと思っています。
例えば、座れる床、登れる壁、寝転がって見ているだけで楽しい天井、、という、家自体を遊具のように設計したり、
隠し回転扉、登り棒、フタを空けて脱いだ服を入れると洗濯機の横のカゴに落ちて行く洗濯物シューター、、といったワクワクする仕掛け、
ちょっと座れる場所、ちょっと雑誌見れるカウンター、ちょっと籠れる屋根裏書斎、、、というちょっとした居場所。
家を建てるための法律でも何でもない。
性能にも関係ない。
別に無くても困らない。
でも、あったら愉しい。使ってみたら便利。気づいたらみんなそこに居る。。。
そして、、
「それがあったからこんな暮らしがはじまった」
「これがあったから子供がこういう力を身に付けた」
後からそんなお話を聞けた時、この仕事で良かったと、家をどこかの誰かに売るのではなく、〇〇さんと家を「一緒に造って」良かったと思えます。
規定通りに条件を満たした箱。それは「家」として正しいです。
そういう「家」の選び方も紹介もアドバイスもたくさんできますが、、、
その先の、その家での「暮らし」も考えてみませんか?
「家」と、その先の「暮らし」を一緒に。